2500SM Vario Surface Minerを使用する安全かつ低騒音な日本の石灰石鉱山

山口県に在る宇部興産宇部伊佐鉱山では、1948年以来石灰石の採鉱を行っている。この鉱山の特殊性は、最寄りの人家まで僅か150mしか離れていないという住宅街の直近に所在することである。このため、鉱山の所有者である宇部興産では、周辺環境に影響を与えず採鉱するために、奥村組土木興業と契約した。この目標を達成するため、奥村組土木興業ではヴィルトゲンの2500SM及び2500SM Vario surface minerの採用を決定した。

ヴィルトゲンの岩盤切削機は宇部伊佐鉱山での周辺に影響を与えない環境に優しい方法で石灰石の採鉱を可能にした。

ヴィルトゲンの岩盤切削機は宇部伊佐鉱山での周辺に影響を与えない環境に優しい方法で石灰石の採鉱を可能にした。

住宅に囲まれて: 宇部の石灰石鉱山

宇部伊佐鉱山は山口県に所在し、世界的に有名な秋吉台の自然公園から約10㎞程の距離にある。鉱山の所有者である宇部興産では1948年以来この地にて、石灰石を採鉱してきた。

しかしながら、年月を経るにつれ、鉱山の所有者である宇部興産にとっては、当地での砕石は次第にチャレンジングなものとなってきた。それは、当採石場が最寄りの人家まで僅か150m程度しか離れていないという、住宅地に囲まれた場所に位置するためである。

「人口が密集した地域にある採石場の運営はチャレンジングなものである。何故ならば、騒音・振動といった周辺環境に与える影響により、採掘エリアが限定されるからである。」と、宇部興産の正代知幸鉱業部長は語っている。これまでは、地域の住民住居に近いがゆえに、露天掘りのエリアを拡大することが不可能であった。伝統的な発破工法はここでは考慮の対象外であった。何故ならば、その工法では振動が大きすぎ、正確な採鉱区割りも不可能であるからであった。また発破に伴う飛石を完全に防止することも難しい。結果として、宇部興産にとっては何百万トンもの石灰石を採掘できないと言う問題に逢着した。

岩盤切削機では残壁の角度をかなり急峻に形成可能。(写真上部)発破工法工法により形成された残壁(写真下部)との比較。これにより埋蔵量の最大有効活用が可能となる。

岩盤切削機では残壁の角度をかなり急峻に形成可能。(写真上部)発破工法工法により形成された残壁(写真下部)との比較。これにより埋蔵量の最大有効活用が可能となる。

ヴィルトゲンのSurface Minerによる、埋蔵量の最大活用

しかしながら、この問題に対する解決策は、ある意味明白であった。ヴィルトゲンのSurface Minerであれば、火薬を使用することなく採鉱が可能である。鉱石を採取するのに地面を削ることで、複雑な採鉱やプロセスの準備が不要だからである。採鉱し、砕き、帯状に採鉱物を残していくことがすべて一連の作業の中で行われる。さらに、宇部伊佐鉱山のようなタイトなスペースかつ複雑な地層での採鉱にSurface Minerはうってつけのものといえる。このため宇部興産では奥村組土木興業に2012年から外周部の採鉱を発注した。奥村組土木興業は長年にわたり、ヴィルトゲンのSurface Minerを使用し、道路工事等に成功裏に従事してきている。2012年に2500SM Surface Minerを導入以来、2018年には2号機として2500SM Vario Surface Minerを導入した。

宇部伊佐鉱山でのヴィルトゲン岩盤切削機の利点を語る宇部興産株式会社鉱業部長正代知幸氏。

宇部伊佐鉱山でのヴィルトゲン岩盤切削機の利点を語る宇部興産株式会社鉱業部長正代知幸氏。

岩盤切削機の導入により、奥村組土木興業は宇部興産のために非常に安定し、かつ急角度の残壁を形成することが可能となり、これにより採鉱区域を安全に拡大することができた。この結果、露天掘りの採鉱量を最大化することにつながる。正代氏によると、「ヴィルトゲンのSurface Minerを使用することにより、丸山鉱区の南側での採鉱が可能となった。これは発破工法では不可能なことであった。」とのことである。これまでに採石場の最外周の境界線は採掘区域を10m住宅地側へ拡大している。ヴィルトゲン・ジャパン株式会社の代表取締役渡邉学によると、これにより採鉱可能量が大幅に増加することになる。ヴィルトゲングループの販売・サービス子会社は奥村組土木興業と当初より緊密な連携をとってきている。

2500SM Varioは安定的かつ高い精度の採鉱オペレーションを産み出す。そして非常に狭小なベンチを持つ70度の残壁を形成することを可能にする

2500SM Varioは安定的かつ高い精度の採鉱オペレーションを産み出す。そして非常に狭小なベンチを持つ70度の残壁を形成することを可能にする

2500SM Varioは石灰石鉱山の環境に優しい運営に最適

もう一つのSurface Minerの特長は、そのセンタードラムコンセプトである。円筒形の切削ドラムは機械重心の直下に近く設置されており、硬岩における最大の切削能力と正確な切削深さを実現している。これにより、理想的な均質な採鉱と平坦な切削面を実現しており、その安定性と相まって、現場の車両がその上を簡単に走行することが可能となっている。

さらにヴィルトゲンのSurface Minerは伝統的な発破工法に比較し、環境に非常に優しい工法である。発破を使用しない工法により、振動を大幅に抑制するとともに、粉塵と騒音も大幅に抑制することができる。宇部で使用されている2500SM Vario Surface Minerでは特にこれらの点に関し、顧客の要望に合わせ改造されている。密閉度を高めた切削ドラムのハウジング、遮音材の増設及び集塵機が近接する住居に対する粉塵や騒音を削減している。

奥村組土木興業は硬岩の掘削にヴィルトゲンの岩盤切削機を長年にわたり使用してきている。宇部では2012年以来、作業してきている。

奥村組土木興業は硬岩の掘削にヴィルトゲンの岩盤切削機を長年にわたり使用してきている。宇部では2012年以来、作業してきている。

あらゆる硬岩に対する専門性

2017年には2.5mの切削ドラムを装着した2500SMが210日稼働し、4,000m2の切削面でほぼ60,000トンの採鉱を行った。2500SM Vario Surface Minerを導入した2018年には32,000m3の石灰石を採鉱しており、2017年の22,000m3に対し、大幅な増加となった。

2500SM Vario Surface Minerは宇部での実績が示す如く、硬岩に非常に向いている。センタードラムコンセプトにより135トンの機械の重心近くに切削ドラムを配置しており、硬岩層への穿通が可能となっている。Vario Minerという名前は、その可変制御システムに由来している。切削ドラムのトルクを岩の性状に合わせ変化させるように設計されている。これにより切削ビットの過剰な摩耗を抑制し、長寿命化が達成されている。さらに、Vario Minerでは切削ドラムの回転速度を可変としており、状況に応じた切削が可能となっている。ドラムには高効率のダイレクトドライブシステムが採用されている。ドライブユニットの前に組み込まれているターボカップリングが振動を緩和し、摩耗も少なくメンテナンスを容易にしている。

リモコンの使用により、オペレータは2500SM Vario Surface Minerを機械の外から簡単に操作することができ、急斜面での採鉱作業がより安全になった。

リモコンの使用により、オペレータは2500SM Vario Surface Minerを機械の外から簡単に操作することができ、急斜面での採鉱作業がより安全になった。

革新的なリモートコントロールによるオペレータの安全性の向上

2500SM Vario Minerはオペレータの安全性に関しても、宇部での使用に合わせて最適化されている。急斜面で運転席から操作する代わりにオペレータはリモートコントロールを使用し、機械の外部から簡単に操作することができる。これは特に70度の急斜面においては、より安全な場所から操作可能であることを意味するだけではなく、採鉱場所のより良い視野を確保することでも大きなメリットとなっている。

HT15クイックチェンジツールホルダと42㎜の大口径シャンクの切削ビットの組み合わせは硬岩の掘削に最適である。

HT15クイックチェンジツールホルダと42㎜の大口径シャンクの切削ビットの組み合わせは硬岩の掘削に最適である。

HT15 Tool Holderによる切削ビットの最大活用

奥村組土木興業は当初シャンク径38㎜の標準ビットを使用していたが、圧縮強度40~80Mpaという硬岩の為摩耗が酷く、大口径のシャンクに変更した。この点に関してもヴィルトゲンは解決策を提示したのは言うまでもない。42㎜のシャンク径を持つ切削ビットとHT15ツールホルダは硬岩でのアプリケーションに最適で、ビットを最大限に活用するものである。ツールホルダの交換可能な基部は、交換時間を削減し、石灰石採掘作業における機械の稼働率を増大させた。

JA